一筆参上 from Tー補綴.jp


サステイナブル

 SDGs(Sustainable Developmental Goals)という用語を含め、サステイナブル(持続可能な)という言葉を最近よく耳にします。環境を保全し、将来世代の利益を損なわないことを前提にした持続的な社会発展や改善を目指そうということのようです。まさしく補綴の意義の第一にあげられる「残存組織の保全」をしながら、口腔の機能と形態の改善、維持を目指すと同じスタンスです。しかし、私自身、この持続的というか、コツコツと1つごとを続けることが大の苦手です。その私がしているサステイナブルな4つのことを「一筆啓上」でお話ししたいと思います。
 胡蝶蘭の鉢が今教授室に6つ並んでいます。6本立ての胡蝶蘭を貰い、咲き終わったものを分鉢し、育てています。胡蝶蘭は私のような無精には意外とあっているようで、時々水をやれば生きながらえてくれます。冬に運が良ければ花芽がつき(画像1)、春頃には花をつけてくれます。現在3回冬を越し、花芽がつく確率は6,7割程です。さあ今年はどの程度咲いてくれるかです。
 チューリップは3年前に初めて花壇に植え、そして咲き終わったら6月頃に球根を掘り出し、乾燥させ,11月頃に植える為に風通しのよいところ保存しました。ただずぼらな私は、植えるのを忘れてしまいました。そのまま1年ほったらかしていたわずかに残った球根から,今年わずかに咲きました。そのわずかな球根を掘り出し、現在保存をしており、さあ植えようと思っているところです。
 ヒマワリは、ヒマワリ畑(徳島は、阿波・吉野川市にある吉野川の川中島の善入寺島が有名:画像2)というのを見てからいつからか好きになり、昨年初めて庭に種を蒔き、咲かせました。そして、ヒマワリの花から種を取り、今年植えたら、なんとか芽を出し、咲きました(画像3)。今年も無事に種を取りましたでので、来年につなげたいと思っております。
 最後に,メダカです。母親が1人で暮らす実家にはメダカが飼われており、ときどき産卵しておりました。今年の7月に同窓会東海支部の講演時に帰省したときに、瓶にメダカを入れ1泊2日の旅行に耐え、徳島に無事に連れてきました。現在自宅の水槽と教授室の水槽(画像4)で元気に泳いでおります。私の退職まで生きながらえてくれるか、あるいは継代してくれるか退職までの大事な仕事になっています(笑)。
 この「サステイナブル」は大事なことと思いますが、この言葉が使われると私のようなものには、どうも胡散臭く聞こえてしまいます。「行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたかは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」鴨長明の方丈記の書き出しです。「サステイナブル」と言う心地よい言葉より、ブレークスルー、カタストロフィーといった言葉の方が個人的にはすっと入ってきます。あまのじゃくの証拠でしょうか。

市川哲雄

画像1 昨年の花芽(黄色矢頭),過去に花を持った花茎(白色矢印)
画像2 善通寺島のヒマワリ畑
画像3 昨年初めて咲いたヒマワリから取った種で咲かせた今年のヒマワリ
画像4 教授室の水槽で元気に泳ぐメダカ達