2026年3月31日
北前船にゆかりのある町に行くと商人の邸宅跡を一般公開していることが多く、そういうときにはほぼ100%見学させてもらっています。昔の人が暮らしていた家屋の中を見るのが好きで、国内だけではなく海外でも旧宅見学の機会があれば必ず潜り込んでいます。豪商の館という呼称は「豪商のまち松阪」に行った際に耳にしたもので、それ以降、近江でも、多度津でも、大洲や内子でも、なんならサンディエゴでも、見学した商家は全て勝手に豪商の館と呼んでいます。
訪れた館をひとつだけ紹介します。北前船で繁栄した三国町の旧岸名家です。ここを見学した際に非常に印象深く、今でも時々ふと思い出すのが壁で、赤や青、黄土色の土壁が、床の間のある畳の部屋に不思議にしっくりと決まっている様子に心惹かれました。芭蕉十哲の一人である各務支考が訪れて以来、三国で俳諧が盛んになったとのことで、岸名家の赤い壁の部屋で俳諧を楽しんでいた様子が再現されています。廊下の壁は美しい青です。機会があれば是非ご覧いただきたいと思います。
昨年はトロントで「カサ・ロマ」という、ある意味訳のわからない巨大な豪商の館を見学しました。今は小樽の「にしん御殿」や新潟の「豪農の館」に行きたい行きたいと思っています。
気が付けば3月も終わり、教授就任から1年が経ちました。あっという間のこの1年、多くの皆様に大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。去る人あり来る人ありで4月から新しい体制となる口腔顎顔面補綴学教室を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
渡邉 恵
